活動報告105回 
 
森とすまいの学校 第1期 第二講座
「真壁造りの住まいづくり2」
〜柱を建てること・壁をつくること:プランニングについて

日 時

2025年8 月2 日(土)

場 所

アトリエ樫

講師

坂田卓也さん

参加者

参加者:20 名

 森とすまいの会コアメンバーであるアトリエ樫の坂田さんを講師に第二講座を行いました。築28年のご自宅の居間に会場を設え、参加者は各々気に入った場所に腰掛けて空間を体感しながらお話を聞くスタイル。開始時刻の14時。屋外は真夏の強い日差しが照り付けていましたが、深い庇や土壁漆喰の壁、無垢材の床、柱、梁、天井の効果で、室内には心地よい空気が漂っていました。大学や東京の増沢建築設計事務所で学んだことから始まり、自宅の設計プロセスを例にして木造の架構の考え方、設計の進め方まで惜しみないお話。土蔵を改修して造られた事務所と自宅の建物見学を行い講座は終了となりました。
 
 アトリエ樫の設計手法として紹介してくれたことをいくつか記します。
かたち(≒間取り)をどうするか、から入るのではなく、全体のシルエットや骨組みから整理していく。柱を建てることを意識する。屋根の形を早めにイメージし、無理なく力が流れる柱の位置を考える。壁量計算により壁に意識を取られ、柱が壁に埋没し存在を忘れがちだが、大壁であっても柱がもつ役割を意識したい。骨組みが見えてきたら階段の設置位置を探り、間取りをその中に落とし込む。基本設計の期間をできるだけ長く取る。建て主さんの漠然とした要望を捉え、繰り返し図面にあらわし答えを作っていくことで、お互いの理解が深まっていくようになると感じている。図面を自分の味方につける。柔らかい鉛筆、硬めの芯のホルダー、手にする道具を意識的に使い分けると考えがまとめ易いと感じている。行き詰まったら道具を変えて手が(頭が)自由に動かせる環境を整えてみたりしている。
 
 陽が傾き始めた17時。坂田さんの手料理(プロ級の味!)を囲んで愉しい席を設けました。南木曽や名古屋など遠方から参加された方とのお話がとても新鮮でした。日中から夜にかけての坂田邸の雰囲気や環境の変化、料理好きの台所の使い勝手も体験でき大変充実した講座になりました。