第35回住まいづくりサロン
「墨付け・刻み」〜大工さんの加工場を訪ねて〜
日 時 :2005年6月11日(土)
場 所 :番匠加工場
出席者 :大人13人 子供4人



  今回のサロンは、浜名湖の館山寺に程近い、番匠の加工場にて開催されました。今回のお題は「墨付け・刻み」。通常現場では、基礎工事を終えると暫らくの間、職人さんの姿を見掛けなくなくなります。実はその間、大工さんは加工場で墨付けや刻みの作業に励んでいます。上棟を控え、時には作業が深夜に及ぶこともあります。木の住まいの仕上りは、大工さんの知恵と技術が凝縮した、「墨付け・刻み」といった作業に拠るところが大。こうした作業を実際に直に触れて頂く機会として、今回のサロンは開催されました。
 まずは、加工場を計画した番匠の野嶋さんから、この施設を建設した経緯を説明して頂きました。こうした加工場を持っている工務店は、実は少数派。皆さん御存知のように、以前は街中の加工場で大工さんが鑿や鉋をを振るい、材を一本一本加工している姿を見掛けました。しかし今、大半の木材はプレカット工場でCAD・CAMを駆使し加工されています。こうした物づくりの仕組みにも利点は有りますが、継ぎ手・仕口や、材の組み方や架構に制約が有ったりと、手刻みに及ぶ技術には至っていないと思われます。
 次に、大工の中西さんが紹介されました。今回のサロンで説明役を務めて下さるということで、以前中西さんが担当された現場の奥さんが、親戚知人を連れて催しに参加して下さいました。当然の事かも知れませんが、住まい手、設計者、大工さんを始めとする多くの造り手が、こうした顔の見える関係の中で物づくりを行い、最終的に、その人に惚れ、評価されているということは気持ちの良いことです。中西さんは、少し照れくさそうに、そして丁寧に話をして下さいました。
 今回題材となった住まいは、磐田市、旧竜洋町で工事が進んでいます。住まい手の方にも参加して頂いた今回のサロン。加工場での話を終えると、隣接する設計室に場所を変え、バーベキューパーティーへ。生憎の天候でしたが、各自持ち寄った食材を肴に酒宴は遅くまで続きました。森のトウモロコシ、地元豚肉の炭火焼き、柿の葉寿司、浜名湖のアサリ…。美味しかった。

〈感想カードの紹介〉
今回のサロンはバーベキュー大会を兼ねての開催。事務局の手違いで、感想カードに記入して頂く時間は何処かへ行ってしまいました。あしからず。