第10回住まいづくりサロン
「細江町構造見学会、佐鳴湖西岸建物見学会」
日時:2000年5月21日 市田邸見学会/11:00〜12:00
            峯田邸見学会/13:00〜15:00
場所:市田邸(細江町) 峯田邸(浜松市佐鳴湖西岸)
出席者:市田邸・大人15人 子供4人 峯田邸・大人22人 子供4人



 今回のサロンは、伝統工法を生かす現代木造住宅見学会と題して、貫工法を取り入れた大小2つの住宅を、午前中は細江町の市田邸(36坪)、午後は場所を移して峯田邸(60坪)で行われました。
 市田邸では上棟後1週間ということもあって、倉田左官の親方が自ら竹小舞を施工している最中を見学することが出来ました。構造体の貫は、この遠州地方でよく行われている厚さ5分(15mm)の貫ではなく1寸(30mm)の貫がつかわれており、柱に楔が打ち込まれて固定されている様子を確認しながら貫工法の説明が行われました。竹小舞の出来上がっていく様子をみて、懐かしい夏の涼し気な風景が蘇ってきたのではないでしょうか。
 峯田邸では午前中の市田邸より行程が進み、貫工法と土壁の家が自然素材を使いどんな仕上がりになるのかを、見学しながら説明をすることができました。峯田さんの土地は東側が佐鳴湖を一望できる土地で、居間から臨む景色のすばらしさを通じて住まいの内と外との関係の大切さを理解していただけたのではないでしょうか。
 今回、市田邸と峯田邸の大小2つの間取りをみていただいて、全体のバランスの大切さを、みなさんと共に確認できたのではないか思います。
〈感想カードの紹介〉
  1. しっかりとした構造材と、どっしりとした土壁の家を見せていただきありがとうございました。建主の思いと作り手の思いが伝わってきました。住宅に対する情報は、雑誌やメーカーの展示場等、消費者の手の届くものが少なく、消費者もどう行動すれば欲しい情報が入ってくるかわからないと思います。ぜひ川上の情報を川下に流す努力をお願いします。良い家を作ることが産地(森)を守り技術を守り職人を育てることにつながる――ステキなことです。

  2. 小舞壁の竹が組まれているところを始めて拝見でき、とても参考になりました。どちらのお宅も腰をおろした時、視野が広がりとてものびのびした空間があり気持ち良かったです。左官さんともお話出来、土壁の作業のことなどをお聞き出来たこともとても勉強になりました。ありがとうございました。

  3. いつも見学会等への皆様の熱意と努力に感謝します。今日は昔からの木造建築を見せていただき、日本の建築工法の良さが勉強でき大変参考になりました。設計士、造り手、施主との心の通い合った家がやはり一番だと思いました。息子もやっと見学会に参加できこれから話し合うのに、大変良い機会を与えて下さりありがとうございました。